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漆器工芸の復興のために寄付いたします。

KAKURAのこと

はじまり

KAKURA 工房の様子2

KAKURA(カクラ)は先住民族の部族名から名付けました。
テーマは「ものごとの本質を見る=普遍のものづくり」。
生活に潤いを与える道具を、できる限り環境に配慮した素材で商品化しようと、1998年にデザイナー1人でブランドをスタートさせたのです。まさに最少数民族です。

デザイン

KAKURA

KAKURAの3つのデザインテーマは「日本のデザイン」「必要最小限のデザイン」「温もりもデザイン」。
日本人の美しい所作を取り入れたカタチ、使うための機能=用の美、愛着のための“手仕事×自然素材”という選択をしています。また軽くするためのデザインや製造の工夫、素材選びも行います。そして使う人それぞれの使い方ができるよう「デザインの余白」を設けることも忘れません。

“裏革を貼らない”
一枚革の製品の完成

国内で鞣した革の需要が減ってきていると相談を受け、革の製造を独学で始めます。そしていきなり大きな作品展で発表する機会が訪れます。作りたいデザインは自分が欲しかったもの。
デザインを優先した作り方を試行錯誤し、現在のKAKURAデザインの特徴である “裏革を貼らない” 一枚革の製品が完成します。一枚革の裏に糊を刷毛塗りし、製品の形を切り出し、手縫いで仕上げます。2つ目の製造拠点では、ミシンを使った製品作りも行なっています。

素材

人だけに備わった「感性」。自然から生まれたことを感じる素材はそのことに気づかせてくれます。KAKURAで使うのは「革」「紙」「土」「竹」。それぞれの特徴を活かし、異素材同士を組み合わせたり、組み込んだりします。

KAKURAではエコ基準をクリアした、革本来の表情を生かしたナチュラル仕上げの牛革を中心に使っています。
加工工程を必要最小限にとどめ、軽さと風合いを楽しむために裏革は一切貼りません。
代わりに裏面に糊を刷毛塗りし、毛羽立ちを抑えています。

革

竹の繊維を漉き込んだ里紙、麻の強さを漉き込んだバフン紙、純黒の美しいブラックボード紙、レード目が上品なボンド紙、柔らかく軽い竹の半紙、透け感と風合いが美しい和紙、薄くても張りのある楮の便箋紙など、紙好きのデザイナーが選んだ美しい紙を使っています。

紙

KAKURA から一番近い土の産地、滋賀県信楽の 白土、半磁器土、黒泥土、赤土 など、プロダクトに合う色と材質を選んでいます。土を板状にスライスして切り出す「タタラ成形」 を中心に、人の手の感覚で仕上げる技法を用い、すっきりとしたフォルムを完成させます。

土

日本の竹のみを使っています。
弓矢に使われていた「矢竹」 、竹の節に雨水が染み込むことで柄が現れる京銘竹「胡麻竹」、 漆色に染めた「真竹」 など、しっかりと目の詰まった日本の竹は凛として美しい表情を持っています。

竹

工房兼ショップ

KAKURAは昭和の懐かしさが残る青空商店街に面して建っています。黒い箱のような建物で前面が波板ガラス。夜になるとガラス部分がぼうっと光り、大きな行灯のようになります。デザイン~試作を繰り返しながら新しい作品や製品が生まれます。陶芸と革の各スクールもこの場所で行います。人だけが持つ感性という才能を、この場所がきっかけとなり、磨くことができればいいと考えています。

KAKURA 工房の様子4